無職の人は債務整理できる?

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借金を根本的に解決するには「債務整理」をするのが1番です。

債務整理にも種類があり、中には定収入がある人でなければ実行できない手続きもあります。
しかし、これは逆に言えば「収入がない・無職の人でも実行できる債務整理方法がある」ということです。

この記事では、職を失った方や、働けないまま借金で苦しんでいる人のために、無職や失業中の方でも可能な借金解決方法を紹介します。

コロナ禍以降、職を失ったり廃業を余儀なくされたりした方も多いと思います。そういった方はぜひ本記事をお読みください。

1.各債務整理と収入(仕事)の関係

債務整理には主に3つの方法があります。ここではその3つを紹介しながら、無職の人でも債務整理が可能かどうかを検証します。

1-1.任意整理

債権者と直接交渉して、借金の遅延損害金や将来発生する予定の利息部分をカットしてもらいます。その後、原則3年程度かけて、毎月少しずつ返済を行います。

問題は「交渉が必要」ということです。

通常は、弁護士に依頼して任意整理を行います。弁護士が登場しただけですんなりと任意整理に応じてくれる債権者も多いです。

「しかし、いくら弁護士に依頼をしたとはいえ、債務者が無職だと『収入もないのに毎月の返済ができるのか?』と債権者に思われてしまい、債務整理に応じてもらえないのではないか?」
このように考える方も多いでしょう。

実は、そんな心配はありません。理由は次のとおりです。

①債務整理に応じない場合、債権者は訴訟提起による確定判決などの債務名義を獲得して強制執行をするしかありませんが、無職・無収入の者には差し押さえるべき資産はないことが通常なので、結局、債権は回収できません。
そうであれば、将来的に不払いとなる危険性があろうとも、債務整理に応じて、少しでも回収を図った方が債権者にとっては得策です。

②債務整理の和解条項には、分割弁済の約束に違反した場合、残金に利息を付加して一括弁済するとの条項が記載されるので、将来利息をカットして債務整理に応じた後に不払いとなっても、一切の利息をとれなくなるわけではなく、債権者の損失はあまりありません。
むしろ滞納状態が続いて結局一銭も回収できないよりは、いくらかもでも回収できるメリットの方が大きいと言えます。

したがって、無職を理由に任意整理を拒否されることはありません。

しかし、収入のあてがない方が任意整理を行っても、実際に分割弁済を履行できなければ、整理前の延滞状態に戻ることになり、任意整理にかかった費用分が無駄となるだけです。
債権者が任意整理に応じるか否かという視点だけでなく、約束が果たせるか否かという視点を忘れてはいけません。

債権者が任意整理に応じてくれるか否かの問題と、任意整理で約束した分割弁済を現実に実行できるか否かの問題は別次元の問題であり、分けて考える必要があるのです。

なお、債務者に寧ろしっかりした安定収入があることを強調すると、「任意整理に応じて利息をカットしなくとも支払う余力があるはず」と判断されてしまい、逆効果となる場合もあります。債権者を納得させる理由で一番強力なのは「無い袖は振れない」です。

よって、配偶者の収入が十分であるなど伝えたりすることは同様に避けるべきと言えます。
もちろん実際の支払いは、配偶者に相談し、協力を求める方が良いでしょう(ただ、配偶者に債務整理を知られた結果、夫婦仲が悪化する場合もありますので、相談するか否かはケースバイケースです)。

【失業保険や年金をもらっている場合】
収入源が失業保険や年金であっても、将来利息をカットした残債務総額を原則3年以内に支払いきれる金額なのであれば、任意整理が成功する可能性はあります。要は受給できる金額・期間と債務総額次第です。
ただし現実問題として、給付期間の短い失業保険から生活費と借金の返済を両立できるケースはあまりありません。

1-2.個人再生

個人再生は裁判所に申立てをして行います。成功すれば借金の額が約5分の1〜10分の1にまで圧縮されます(500万円以下の場合は100万円)。元本部分も大きく減額されるため、任意整理よりも遥かに高い減額率となります。
その後、減額された借金を、原則3年程度かけて毎月返済します。

これはつまり、減額後の借金を36回払いで完済できる程度の収入が必要とも考えられます。
仮に900万円の借金が5分の1に減額されれば、減額後の180万円の借金を36回払いすると仮定して、毎月5万円以上の支払いを3年間継続できる収入が必要なのです。

裁判所が「この人は減額後の借金を予定通り支払えそうにない」と判断した場合、個人再生は認められません(民事再生法221条1項)。
すなわち、無職で無収入の人が個人再生をするのは不可能です。

なお、パートやアルバイト、契約社員や派遣社員であっても、定期的な収入が継続する見込みがあれば個人再生は可能です。
ただし、単発のアルバイトを繰り返している人は、定収入が継続する見込みがあると判断されないため、個人再生は難しいです。

また、個人再生で審査されるのは、世帯単位の家計を前提とした支払能力です。このため、配偶者を含む同居の親族の支払能力も審査対象です。
債務者本人の収入が低くとも、同居の親族に安定継続した収入があり、今後の継続的な援助が期待できるなら個人再生は可能です。

ただし、本人にまったく収入がない債務者は法が予定しておらず、個人再生は認められません
任意整理と違って個人再生をする当事者の定収入の有無が重要なため、主夫/主婦の方はパートやアルバイトをするなどして定収入を確保するなどしない限り、個人再生は難しいです。

【年金受給者の個人再生】
年金が老齢年金であれば、借金額と収入や支出のバランス次第では個人再生が可能です。
障害年金の場合は、障害が治癒すると支給が停止されるため、その可能性の有無につき、個別に判断されます。

1-3.自己破産

裁判所に申立てをして、借金をゼロにしてもらう手続きです。
任意整理や個人再生と違って借金を返済する必要がないため、収入に関して問われることがありません。

そのため、無職・無収入の人でも自己破産は問題なく可能です。むしろ無職・無収入の場合は、原則的に自己破産しか選択できないと思ってください。

しかし、自己破産をするには一定の条件が必要です。次の項目で詳しく見ていきましょう。

2.無職でもできる自己破産の利用条件

自己破産をするには以下の条件を全て満たす必要があります。

2-1.借金が「支払不能」である

支払不能とは、単に収入がなくて払えないという意味ではありません。

支払不能とは「債務者が支払能力を欠くために、弁済期の到来した債務を一般的かつ継続的に弁済することができないと判断される客観的状態」と定義されます(破産法2条11項)。

「収入がなくても資産はある」という人は支払不能ではなく、自己破産できないと誤解している方が多いのですが、そうではありません。
たとえ資産があっても、換価が困難であれば「支払不能」と評価されます(※福岡高裁昭和52年10月12日決定・倒産判例百選(第5版)14頁)。

そもそも債務者が債務整理の開始を債権者に通知すれば、「支払不能」を推定する事由である「支払停止」に該当し、債権者による反証がない限りは裁判所は破産開始を決定しなくてはならないのです(破産法15条2項)。

また、支払不能は継続的であることが要求されるので、「今月だけ手元不如意で払えない」という場合は支払不能に該当しません。

自己破産は、安定した収入の有無や借金額などは要件とならず、この「支払不能」であれば申立が認められます。

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2-2.免責不許可事由がない

免責不許可事由とは「こういった事情がある場合は自己破産しても借金をゼロにしません」という事柄です。
例えば以下のようなことが免責不許可事由に相当します。

  • 借金の理由が浪費やギャンブル
  • クレジットカードで買ったものを安く売ってショッピング枠を現金化した
  • 複数の債権者がいる場合、特定の債権者にだけえこひいきになるような返済をした
  • 借金をする際に年収などを偽った(詐術による信用取引)
  • 自己破産の前に財産を隠したり、不当に安く処分したり、無料で譲ったりした
  • 自己破産のために裁判所へ提出した帳簿や書類に虚偽の内容があった
  • 裁判所が行う自己破産手続きに非協力的
  • 過去7年以内に自己破産して借金をゼロにしてもらった

しかし、免責不許可事由があっても、それが悪質でない場合は、裁判所の裁量で借金をゼロにしてもらえることがあります。これを「裁量免責」と言います。
免責不許可事由がある人は、裁量免責が受けられる見込みがあるかどうかを、事前に弁護士まで相談してください。

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2-3.手続き費用が払える

自己破産をする際に、裁判所へ所定の費用を納めなければなりません。

これは基本的に2~3万円程度で済みます(同時廃止の場合)。
しかし、免責不許可事由がある人や、一定額以上の資産がある人などは、裁判所が破産管財人を選任して調査をする必要があります(管財事件の場合)。その人件費がかかる分、費用が増えてしまうでしょう。

具体的な費用は裁判所やケースによって異なりますが、「管財事件」となった場合は、20万円程度は上乗せされると思ってください。

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しかし、この費用については、弁護士依頼後に支払いをストップして積み立てていくことが可能になりますので、最初から諦めずに一度弁護士へ相談してみることをお勧めします。

3.無職の場合でも諦めずに弁護士へ相談を!

無職の人が債務整理をする場合、現実的な選択肢は自己破産です。
しかし自己破産にも条件があります。また、仮に申立てが受理されても、場合によっては裁量免責を狙う必要が出てくるかもしれません。

自己破産は弁護士にご相談ください。免責不許可事由の有無を調べ、万が一免責不許可事由がある場合は、裁量免責を得るためにサポートをしてくれます。

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