給与差し押さえを回避|借金が会社・家族にバレないために

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債務者が長期に渡り借金を滞納し続けている場合、債権者に給与を差し押さえられることがあります。

給与の差し押さえとは、債権者が債務者の給与から強制的に一定額を徴収し、債務の弁済に充てる債権回収の一手段です。
毎月の給与だけでなく、ボーナスや退職金も差し押さえの対象になります。

家族や職場に借金がバレたくない、と思う多重債務者の方は多いですが、給与の差し押さえは裁判所から勤務先の会社(第三債務者)に連絡が入ります。このため、少なくとも勤務先には確実に借金の存在がバレてしまいます。

勤務先に借金がバレないためには、給与差し押さえを事前に回避するしかありません。
今回は、給与差し押さえがされそうな場合の正しい対処方法を解説します。

なお、給与が実際に差し押さえされた場合は、解除手続きが必要になります。給与差し押さえの「解除」に関しては、下記記事で詳しく解説しています。

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1.滞納から給与差し押さえまでの流れ

給与の差し押さえは、直接的に収入が減ってしまうため、債務者にとっては大きな痛手となります。

まずは、借金滞納で督促されてから給与差し押さえまでの流れを見てみましょう。

1-1.郵便や電話で督促を受ける

債務の返済を滞らせると、消費者金融などの債権者側から督促が来るようになります。連絡手段は原則郵便ですが、滞納が続くと電話がかかってきたり、企業によっては自宅訪問をされたりすることもあります。

郵便物が見つかった場合や、自宅に電話がかかってきた場合には、この段階で家族などの同居人に借金がバレるケースも多く見られます。

家族に知られたくない場合は、郵便物の扱いに留意する他、消費者金融に登録する連絡先は全て自分の携帯にしておくようにしましょう。

【借金を滞納すると勤務先に電話が来る?】
消費者金融、いわゆるサラ金に借金を返さないと、勤務先に連絡が入るのではないかと心配する人もいます。
しかし、消費者金融側も、いきなり勤務先に連絡をするわけではありません。消費者金融が何度連絡をしても債務者が電話に出なかったり、着信拒否にしたり、居留守を決め込んだりすると、消費者金融側は仕方なく勤務先に連絡を取ることがあります(なお、勤務先に電話をかけても会社名は名乗らず、担当者の名前のみ伝えることになっています)。
消費者金融が勤務先へ連絡することを避けるためには、消費者金融からの連絡を無視しないことが一番です。

1-2.内容証明郵便が届く

度重なる督促を無視したり、約束した期限が来ても支払わないでいたりすると、消費者金融が内容証明郵便を送ってきます。

内容証明自体は給与差し押さえとは関係ありませんが、「そろそろ返済しないと、強制執行(差し押さえ)の準備に入りますよ」という意思表示だと思ってください。

1-3.裁判所から「支払督促」「訴状」が届く

債権者は、借金を長期滞納した債務者の財産をすぐさま差し押さえできるわけではありません。
差し押さえなどの強制執行を行うには、裁判所に強制執行の申立てをする必要があります。この申立てには、「債務名義」という公文書を提出することが必須です。

よって、内容証明郵便の送付後、債権者は強制執行をができるように債務名義の取得を行います。

支払督促

内容証明も無視して滞納を続けている場合、多くのケースで裁判所から「支払督促」が送られてきます。
支払督促は、裁判所が債権者からの申し立てを受けて、債務者に債務の返済を命令しているものです。債権者が本格的な法的措置を取った証拠と言えます。

支払督促に異議申し立てをせず2週間放置していると、債権者が「仮執行宣言の申し立て」を行い、それを受けた裁判所は「仮執行宣言付き支払督促」という書類を債権者と債務者の双方に送ります。

「仮執行宣言付き支払督促」は債務名義となり、これが債務者に到達することにより、債権者は強制執行(給与の差し押さえ)を行うことができるようになります。

訴訟

債権者によっては、支払督促ではなく「貸金返還訴訟」の手続きに入ることがあります。

訴訟が提起されると、裁判所から債務者に対して訴状と呼び出し状が送達され、裁判所への出廷が求められます。

裁判所からの呼び出しを無視していると、自動的に敗訴となり、債権者側の請求が全面的に認められます。
勝訴判決は「債務名義」となり、債権者は強制執行が可能となるのです。

なお、裁判には多大な労力がかかるため、債権者の多くは訴訟の提起ではなく支払督促の送付を行うでしょう。

強制執行については以下のコラムで詳しく解説しています。

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1-4.「差押命令正本」の通知により差し押さえ

債務名義を取得した債権者が給与の差し押さえを裁判所に申し立てると、裁判所は債務者の勤務先(第三債務者)へ「差押命令正本」の通知を送付します。

これにより、債務者の勤務先は、債務者への給与の一部を債権者に払う、または法務局へ供託するなどの義務が発生するのです。

【給与を差し押さえられるとクビになる?】
給与を差し押さえされたからと言って、それだけを理由に解雇されることはありません。下手に解雇すると、勤務先の方が法令違反に問われる可能性すらあります。
しかし、解雇通知こそされないものの、会社に居づらくなって自主的に退職を選ぶという方はいらっしゃるようです。

2.給与差し押さえを回避するためにできること

給与差し押さえを回避するには、借金を払えないと思った時点から、できる限り早く以下のような対処することが大切です。

2-1.借金の支払い方法について債権者と交渉する

給与差し押さえは、当然ながら借金を返せば回避できます。
しかし、そもそも返済が可能なら苦労はないでしょう。

給与差し押さえを免れるためには、法的措置を講じられる前に、返済の猶予や返済スケジュールの変更を交渉するしかありません。

「支払いができない事情があるものの支払う意思があること」を示して新たな返済計画を約束したり、「今はこれしか払えないが、今後は毎月○円なら支払いができる」ということを説明して滞納分を一部でも返済したりするなど、誠意を見せれば相手方が多少の猶予をくれる可能性もあります。

少なくとも、督促や裁判所からの書類を無視し続けることは絶対に止めましょう。

2-2.債務整理をする

将来的に借金を完済できる可能性が薄い場合は、早めに弁護士や司法書士に「債務整理をしたい」と相談してください。
給与を差し押さえられる前に債務整理を行えば、差し押さえを回避した上で借金問題を解決することができます。

「債務整理」とは、債権者と直接交渉することで利息を免除してもらったり、裁判所に申立をして借金を減額・免除してもらったりする法的な手続きのことです。
任意整理・個人再生・自己破産といった方法で債務者の負担を減らし、新たな生活のスタートを切ることができます。

債務整理は一般の方が自力で行うことは難しい手続きですので、弁護士などの専門家に代理人を依頼するのが一般的です。詳しくは以下の記事をご覧ください。

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3.給与差し押さえの限度額

最後に、仮に本当に給与を差し押さえられてしまった、どれくらいの金額を処分されてしまうのかを解説します。

給与を差し押さえられる場合でも、その全額について差し押さえられるわけではありません。

給与の全てが差し押さえられると債務者やその家族が生活出来なくなってしまうので、基準として、期間ごとに支払われる給与(税金等の控除後の給与)の4分の1(25%)のみ差し押さえが出来ることになっています。

しかし、給与の額は人によって差があるので、高額所得者の場合には差し押さえられても生活上大きな問題がない一方、低所得者の場合には差し押さえにより最低限の生活が脅かされるほどの残額になったりすることがあります。
また、債務者が高額所得者であれば、「まだ回収にまわせる余裕があるのではないか」と、債権者も納得がいかないでしょう。

このような矛盾を調整するために、法律では標準的世帯の必要生計費を考慮した差押禁止の上限額を定めています(民事執行法施行令2条)。これを超過する部分は、25%を超えることがあっても差し押さえが出来ることになります。

つまり、差し押さえ禁止範囲の75%に相当する額が下記の「 政令で定められている基準 」の額を超える場合、超えた部分は全額差し押さえが可能となるのです(月給の場合、75%が33万円)

政令で定められている基準
支払が毎月 33万円
支払が半月ごと 16.5万円
支払が10日ごと 11万円
支払が月の整数倍の期間ごと 33万円×整数倍
支払が毎日 1.1万円
支払がその他の期間 1.1万円×期間の日数
賞与・その性質を有する給与 33万円

上記の基準によると、例えば「月額の(税金等の控除後の)給料が44万円であれば、33万円を超える額については、全額差し押さえが可能」ということです。

なお、税金滞納による給与の差し押さえ金額の上限については違いがあります。詳しくは弁護士にお尋ねください。

4.給与の差し押さえをされたら弁護士に相談を

給与の差し押さえをされたら、少なくとも会社には借金の存在がバレてしまいます。
借金が理由で解雇されることはありませんが、自主退職を促されたり、社会的な信用が失われて自ら退職を選んでしまうケースもあるようです。

差し押さえを回避し、借金問題を根本的に解決するためには、弁護士への相談が最良の道と言えます。
借金が今以上に膨らんでしまう前に、返済が滞った時点で、どうぞお早めに弁護士へご相談ください。

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